GIGA第2ステージと2030年代の教室。デジタル教科書と生成AIが「学びの基盤」になる

こんなこと、感じたことはありませんか?

  • ICTは導入したが、結局「特別な時間」になっている
  • デジタル教科書やAI活用が、授業の主役になりきれていない
  • 個別最適な学びと言われても、現場での具体像が見えにくい

もしかしたら、あなたも今、そんな違和感を抱いているかもしれません。
わたしも、ICTを活用しているというより、「便利なオプション」に留まってしまっている感じがしています。

次期学習指導要領(2030年度から順次実施予定)では、デジタル教科書が紙の教科書と同様に正式な教科書として位置づけられます。
そして、情報活用能力が「主体的・対話的で深い学び」を支える基盤として、これまで以上に重視される方向です。
GIGA第2ステージが示しているのは、デジタルを特別扱いせず、ノートや鉛筆と同じ「学びの基盤」として位置づけ直す発想です。

この記事では、デジタル教科書と生成AI、AIドリルを「時々使うツール」から「日常のインフラ」へと格上げする視点を、現場の具体例とともに整理します。
ICT活用に迷いが減り、授業設計がシンプルになる。
そんな手応えを持ち帰ってもらえたらと思います。

1.Point:デジタルは「使うかどうか」ではなく「前提」にする時代に入りました

結論からお伝えします。

GIGA第2ステージに入った今、そして次期学習指導要領(2030年度から)を見据えて、デジタル教科書や生成AIは「時々使う便利な道具」ではなく、ノートや鉛筆と同じ「学びの基盤」として扱う段階に来ています。

ICT活用がうまくいかない理由は、操作スキルや意欲の問題ではありません。
「授業のどこで使うか」という発想のまま、授業全体の設計がアナログ前提で止まっている点にあります。

次期改訂では、情報活用能力が「主体的・対話的で深い学び」を支える基礎的資質として明確に位置づけられています。
つまり、ICTは「あってもなくてもよいオプション」ではなく、深い学びを実現するための「基盤」なのです。
デジタルが前提になると、個別最適な学びは特別な実践ではなくなります。
日常の授業の中で、自然に起きるものになります。

2.Reason:なぜ今「学びの基盤」としてのICTが求められるのか

理由① GIGA第2ステージは「活用の質」を問う段階に入ったから

GIGAスクール構想の第1段階は、端末とネットワークを行き渡らせることが主目的でした。
多くの学校で環境は整いました。

GIGA第2ステージで問われているのは、「その環境を、学びの質向上にどう使うのか」です。

つまり、
・たまに使う
・イベント的に使う
この段階は、すでに通過点になっています。

そして2030年度からは、デジタル教科書が紙の教科書と同様に正式な「教科書」として位置づけられます。
これは、紙・完全デジタル・ハイブリッド(紙とデジタルの組み合わせ)の3種類から教育委員会が選択する新制度となります。

デジタルが「特別な選択肢」から「標準的な選択肢の一つ」へと変わる。
この制度変更は、デジタルを学びの基盤として扱う文化を後押しします。

デジタル教科書やAIは、日常的に使われてこそ価値を発揮します。
特別扱いしている限り、授業改善の中心にはなりません。

理由② 「全体一斉」の限界が、すでに見えているから

教室には、理解のスピードも関心も異なる子どもがいます。
それでも、授業は同じペースで進みます。
この構造自体が、先生方の負担を増やしてきました。

個別最適な学びは、理念としては以前から語られてきました。
ただ、現場で回すのは難しかった。

AIドリルやデジタル教材は、この壁を現実的に超える手段です。
人がやろうとして無理だったことを、テクノロジーが肩代わりできるようになりました。

次期学習指導要領では、情報活用能力を基盤として、探究的な学びを一層進めることが盛り込まれる方向です。

小学校では「総合的な学習の時間」に「情報」の領域が追加される見込みで、中学校では技術・家庭科が技術と家庭に分離され、技術分野に「情報」に関する内容が加わる方向で検討されています。

理由③ ICT担当の先生ほど「孤独」になりやすいから

ICT担当や新しいものが好きな先生ほど、負担が増えると共に「分かってもらえない」感覚を抱きやすい。
わたしは、そんな相談を何度か受けてきました。
一部の先生の頑張りに依存するICT活用は、長続きしません。
だからこそ、「特別な実践」ではなく「誰でも使う前提」にする必要があります。

3.Example:デジタルが「学びの基盤」になる具体像

具体例① デジタル教科書を「配布物」から「思考の場」へ

デジタル教科書を、紙の代替として使っている場面は多く見られます。
それ自体は悪くありません。

一歩進めるなら、
・書き込み
・共有
・履歴の可視化
を日常的に使います。

子どもは、自分の考えを残し、他者の考えを比べ、考えが変わった過程を振り返る
これは、紙よりもデジタルの方が得意な領域です。

具体例② AIドリルで「できない時間」を減らす

AIドリルは、宿題用のツールだと思われがちです。
実際には、授業中こそ力を発揮します。

理解が浅い子は、基礎問題を繰り返す。
余力のある子は、発展問題に進む。

教師は、「誰が、どこでつまずいているか」を把握できる。
全員を同時に見る負担が減ります。
その分、対話や支援に時間を使えるようになります。

具体例③ 生成AIを「答え製造機」にしない使い方

生成AIへの不安は自然なものです。
だからこそ、位置づけが重要です。

生成AIは、
・考えのたたき台
・別の視点を出す存在

として使います。

「この説明、別の言い方はある?」
「反対意見を出して」
こうした使い方は、思考を深める補助になります。

禁止するか、丸投げするか。
その二択ではありません。

具体例④ デジタル学習基盤を前提とした単元設計

次期改訂では、史上初めて「デジタル学習基盤」が前提となる学習指導要領となります。
つまり、1人1台端末やデジタル教科書の活用を織り込んだ形で、各教科の目標や内容が示されることになります。

これは、単元設計の段階から「どこでデジタルを使うか」ではなく、「デジタルがある前提で、どう学びを深めるか」という発想への転換を意味します。

例えば:
・デジタル教科書の書き込みを活用した思考の可視化
・クラウドでの共有を前提とした協働学習
・AIドリルでの習熟度把握を組み込んだ個別最適な学び

これらが「特別な実践」ではなく、「標準的な単元設計」の一部として組み込まれていきます。

4.Point:ICTは「任せるため」に使うと、授業が楽になります

もう一度、ポイントを整理します。

デジタル教科書と生成AIは、教師の仕事を増やすためのものではありません。
教師が人にしかできない部分に集中するための基盤です。

次期学習指導要領では、情報活用能力が「主体的・対話的で深い学び」を支える基礎的資質として明確に位置づけられています。
つまり、ICT活用は「あってもなくてもよいオプション」ではなく、深い学びを実現するための「基盤」として位置づけられているのです。

ICT担当の先生が抱え込みすぎないこと。
新しい物好きな先生が、孤立しないこと。

そのためにも、「前提として使う」空気づくりが欠かせません。

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