若手の先生の冬休み――この1年と、これからの自分をつなぐ時間

こんなこと、感じたことはありませんか?

  • 1年が終わったはずなのに、達成感より反省ばかり浮かぶ
  • 毎日必死で、何が身についたのか分からない
  • この仕事を続けていけるのか、ふと不安になる

若手の先生にとって、この1年は本当に長く、そして濃い時間だったと思います。
初めて任された仕事、思うようにいかなかった学級経営、うまく言葉にできない疲れ。
振り返ろうとしても、気持ちが追いつかないこともあるかもしれません。

春休みは、次年度の準備であっという間に過ぎていきます。
だからこそ、少し余白のある冬休みは、この1年をゆっくり振り返り、自分のこれからを考える大切な時期です。

わたしは学校現場と大学で、多くの若手の先生の悩みや迷いに立ち会ってきました。
共通しているのは、「先のことを考えたいのに、考え方が分からない」という戸惑いです。

この記事では、評価や反省ではなく、「つなぐ」視点で1年を振り返り、これからのキャリアを考えるヒントをお伝えします。
冬休みは、立ち止まってもいい時間です。

1.Point:冬休みの振り返りは、反省ではなく「これからにつなぐ時間」

結論からお伝えします。
冬休みに行ってほしい振り返りは、できなかったことを洗い出す作業ではありません。
この1年を「どう生き抜いたか」を確かめ、これからの自分につなげる時間です。

若手の先生は、とかく自分に厳しくなりがちです。
授業がうまくいかなかった。学級経営に迷った。先輩のようにできない。
ただ、1年目、2年目の仕事は、完成度よりも「経験の蓄積」が何より大切です。

冬休みは、立ち止まり、意味づけをするための貴重な余白です。
ここでの振り返りが、今後のキャリアの土台になります。

2.Reason:若手の先生ほど、振り返りが「自責」になりやすい理由

若手の先生と話していると、「振り返り=反省会」になっている場面を多く見かけます。
理由ははっきりしています。
学校は常に改善を求められる場であり、若手ほど「できていない点」に目が向きやすいからです。

さらに、日常が忙しすぎます。
授業準備、生徒対応、行事、保護者対応。
走り続ける中で、「考える前に次」がやってきます。

春休みになると、次年度準備が一気に押し寄せます。
学級編成、教材研究、引き継ぎ。
落ち着いて自分を振り返る時間は、ほとんど残りません。

だからこそ、冬休みなのです。
少し距離を置いて、「あのときの自分はどう感じていたか」「なぜあの選択をしたのか」を振り返ることができます。

ここで大切なのは、評価軸を外すことです。
良かったか、悪かったか。
向いているか、向いていないか。
その問いは、今は置いておいて構いません。

若手の時期に必要なのは、「自分は何に迷い、何を大事にしようとしたのか」を知ることです。
それが、キャリアを考える第一歩になります。

3.Example:冬休みにおすすめしたい、3つの振り返り視点

ここからは、実際に若手の先生との面談やコーチングで行ってきた振り返りの視点を紹介します。

一番しんどかった場面を一つだけ選ぶ

まず、この1年で一番つらかった場面を一つ思い出してください。
複数出てきても、一つで十分です。

大切なのは、「なぜしんどかったのか」を丁寧に言葉にすることです。
力量不足だったのか。
人間関係だったのか。
責任の重さだったのか。

理由を整理すると、自分が大切にしたい価値観が見えてきます。

小さくても続けたことを三つ書き出す

派手な成功はいりません。
毎朝の声かけ。
授業後の一言。
記録を残し続けたこと。

若手の先生は、「できたこと」を過小評価しがちです。
ただ、続けた行動には、必ず意味があります。

来年の自分に一つだけ期待する

目標をたくさん立てる必要はありません。
「余裕のないときに深呼吸する」
「一人で抱え込まない」
その程度で十分です。

キャリアは、一気に決めるものではありません。
積み重ねの結果、形になっていくものです。

4.Point:キャリアは「選ぶもの」ではなく「育っていくもの」

若手の先生からよく聞く言葉があります。
「この仕事、向いているんでしょうか」

正直に言います。
この問いに、今、答えを出す必要はありません。

キャリアは、適性診断の結果で決まるものではなく、経験の中で育っていくものです。
迷いながら続ける中で、「これは大事にしたい」「これは苦手だ」と輪郭がはっきりしてきます。

冬休みの振り返りは、決断のためではありません。
自分の現在地を確認するための時間です。

焦らなくて大丈夫です。
比べなくて大丈夫です。
あなたのペースで、あなたの教師人生は形づくられていきます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です