①コーチング的・ファシリテーション的アプローチの教育・組織現場における有効性の検討

学習や育成の支援方法として、コーチングやファシリテーションのアプローチがどのような効果を持つのかを実践的に検討しています。教育現場での学習者支援や教員支援を中心に研究を進めていますが、対話や関係性を重視するこれらの手法は、多様な現場においても重要なスキルとされており、幅広い応用が期待されます。

②教育・組織現場における心理的安全性とストレス対処行動の関連に関する研究

学級や職場などの集団における「心理的安全性」が、ストレス対処や適応にどのように関わるかを明らかにする研究です。近年は、集団の力を活かしたグループ・アプローチの活用に大きな可能性を感じており、教育現場のみならず、企業や対人援助職においても心の健康やウェルビーイングの促進に向けた応用を視野に入れています。

③教育・組織における多様性を活かすリーダーシップスタイルとその心理的基盤の研究

年齢、性別、文化、特性などの多様性を活かしながら、集団や組織の力を引き出すリーダーシップの在り方について研究しています。教育現場では学級担任や部活動指導における実践を対象としつつ、企業や医療福祉などの対人援助職におけるマネジメントやチーム運営にも通じる理論的枠組みの構築を目指しています。

④教育・組織における個の発達支援環境の設計とその機能に関する研究

個々の発達を支える教育環境や職場環境のあり方について研究しています。具体的には、学級やチームといった集団が、構成員の自律性や専門性の発達をどのように促進するかを検討しています。学校を主なフィールドとしながら、多様な組織における「成長支援の場」としての集団機能にも関心を広げています。

⑤自律的・協働的実践を支える環境要因と心理的メカニズムの研究

主体性をもって活動し、他者と協働できる人の育成には、どのような環境や支援が必要かを明らかにする研究です。学習や実践の場における個人と集団の相互作用や、それを支える心理的要因(安心感・自己効力感など)に着目しています。教育現場の知見をもとに、人材育成や職場での協働促進にも応用可能な理論構築を目指しています。